SLEのゆくさき

2018年1月末よりマイコプラズマ肺炎の疑いで入院後、ループス腎炎と診断。3月末SLEと診断されました。1年休学後復学したのち退学。2021年再受験し2024年2月現在大学3年生の24歳。不定期に更新しています。

short動画の流行/段落をつけない若者/論理的思考力

YouTubeが世間に浸透し出したのは2015年のことと記憶している。それまでのYouTubeといえば、ニッチな趣味に関する動画をおじさんたちで共有する場ないし、ちょっと大人の世界を知った気になった小中学生が得意げにその存在を言いふらすだけのサイトだった。

もっとも、2012〜2013年にはゲーム実況や毎日実況は存在していて、あの有名YouTuber金ピカ(仮名)さんも開封動画やらゲーム実況やらを投稿していた。

それでもやっぱりアングラであった。カレシだのカノジョだのが10秒に一回登場するような会話を交わすような、今でいう陽キャはその存在すら知らなかったし、YouTube?ようつべ?なにそれ?な時代であった。

それからと言うもの、Googleが広告動画を全面的に導入したことで(それまでは画面端に小さく掲載される程度だった)「職業:YouTuber」が小学生のなりたい職業1位になるまで大躍進した。

 

あらゆるジャンル・業界の動画が毎日アップロードされてきたが、最近YouTubeはshort動画なるものを導入した。

これはTikTok(1分未満の動画配信サイト)の興隆に対抗しようとしたもので、そこには、恥も外聞もなくTikTokから転載しているものも大量にある。

なんだか短い動画が増えてきましたな、と思っているところに生放送をはじめとした「切り抜き動画」なるものも人気を集めている。

それら以外のチャンネルでも、10分未満の短い動画が増えている。

 

とにかく短く短く、要点だけを知りたがる。なにをそんなに焦っているのだろうか。

 

 

ところで、最近学生のレポートをいくつか読む機会があったが、段落をつけていないものが散見された。400〜600字くらいならまだ許せるが、1200とか1600とかの字が一切の改行なしに所狭しと並んでいるのである。

もう読む気が失せるどころの話ではなくて、ぐちゃぐちゃに丸めて捨ててやりたい気分になった。

思うに、原稿用紙1枚までの思考・主張しか処理できなくなっているのではないか?いや、もはやそれも怪しいかもしれない。

 

一つ一つが独立したショート動画。それぞれに1つの"要点"がある。それらを断片的に吸収(はたまた通過)させたところで、大した論理は生まれない。

文脈が理解できない、歴史が理解できない。だから知識体系が、学問体系がさっぱり分からない。

改めてYouTubeの動画に目を通すと、前後の文脈を必要としないもの、長いものでも日常系など特に思考の必要ないものばかりである。

 

多分これは、若者が将来に希望を持てていないことも十分に表している。

短絡的に思考し刹那的に生きるならば、長い時間や深い思考を必要とする小説や映画は不要である。論理的思考力なんてもっと要らない

 

 

人間は地球上で一番、未来のことを想像しそのために活動できる生き物である、とどこかで聞いたことがある。

その人間が短絡的に生きていけば地球はどうなるのだろうか。

 

漫画でも良いし、テレビドラマやアニメでも良い。自分の人生を振り返ることでも、将来を思案することだって良い。

論理的思考のためには、そういうところから変えていかなければならない。